SSブログ

バァ・・ウェ~ [フランスの思い出]

久々に「ワイン紀行」ネタ以外で・・・

フランスから帰国して二年くらいが経過したころの出来事です。
パリで一緒のアパートに住んでいたOさん(彼はフランス人の女性と結婚され、今でもパリにお住まいです)が、奥さんとその家族と一緒に帰国され、京都に遊びに来ました。久々の再会をして、その後いろいろと京都を歩き回ったのですが、そのときの僕が思ったことは・・・
『フランス語が出てこない!!!』 ということです。

このままではマズイ、と思った僕は『無理やりでもフランス語を話す時間を持たなければ・・』と、早速、大阪にあるアリアンス・フランセーズ(フランス語の学校です)を訪れました。途中からでも入れるようなクラスはないかとたずねてみたところ、中級クラスなら希望の曜日に入れるとのこと。進度は未来形を学習中とのことでした。
『うーん・・・そのあたりなら別に今更・・・』(←かなり傲慢)
と思いながらも、とにかく目的は『無理にでもフランス語を話す』ということだったので参加させてもらうことにしました。

先生はフランス人男性で、クラスのほとんどは女性の方でした。最初に自己紹介をさせてもらい、フランスに住んでいたことがあることも正直に伝えると、先生は「それだったら、もっと上のクラスにしたらいいのに・・・」と言ってくれたのですが、仕事の都合でどうしてもこの曜日しか来ることができないことと、少しでもフランス語を話す時間を作りたいということを話して納得してもらいました。

確かにクラスのレベルは中級とはいえ、文法事項については自分ではもうわかりきっていることばかりです。それでもあくまでも『一人でベラベラしゃべってひんしゅくをかわないようにしなければ・・・』とあくまでも謙虚な姿勢で参加していました。
(時々いるんですよね。ちょっとしゃべれるからといって一人でまくしたてるようなヤツが・・・『空気読め!』って言いたくなります)

ところがだんだん他の生徒さんたちに
「パスク・・・ジュ、ジュ・ヴドゥレ・・・んーっと何アレ・・ねぇforetさん『買う』って何だったっけ・・・」と質問され、
先生からは「アー、foret、これ日本語でなんて言ったらいいの?(←もちろんフランス語で)」と聞かれるようになる始末・・・
『これで金払ってるのっておかしくないか?』
と思うこともありましたが、それでもみなさんいい人ばかりで、毎週楽しく通わせてもらっていました。
※誤解のないように言っておきますが、アリアンスの先生方はとても素晴らしい先生ばかりで、もちろん日本語もかなり上手な方が多いです。ただ、例えば『あえて言うなら』みたいな表現になるとやはりお互い何と言っていいのか難しいものもありますからね。

そんなある日のことです。いつもの先生が急にお休みになり、代わりの先生が授業をしてくれることになりました。
初顔合わせと言うことで、まずは自己紹介。各人がそれぞれ名前や職業、フランス語を学んでいる理由を話し、それに対して先生がいくつか質問をするという形で会話が進んでいきます。そしてついに僕の番に・・・
何を話したのか忘れましたが、先生からの質問にもいくつか答えた後で先生に
「ひょっとしてアナタ、フランスに住んでいたの?」と聞かれました。
「あー、はい。ルーアンとパリに・・・」と答えると
「やっぱり!」と先生。
そして他の生徒さんたちに対して
「彼のフランス語の発音はまるでパリジャンのよう(トレ、トレ、パリジャン)です」と言ってくれました。
「オォーッ」と感嘆の声が湧き上がります。
『エッ、そう?』と僕もちょっとした優越感・・・
ところがその直後の先生の一言、
「チョット下品ネ」 (←しかもここだけ日本語で)

「・・・・・(ガーン!!)」 と、のだめカンタービレ風に言えば白目をむいている状況の僕に対して、クラス中が爆笑の渦に・・・
この先生はフランスのどこの地方の出身と言っていたのか聞き忘れましたが(←多分ショックで聞こえていなかった)、その後パリに住むフランス人の発音は美しくない、それにくらべて自分の出身地方のフランス語の発音は美しい云々の「ふるさと自慢の話題」へと移っていきました。

確かに自分でも言っていましたね。『ウィ(oui)』を『バァ・・ウェ~』と。でもこれって僕としてはパリジャンに限ったことではないと思うのですが、一体どうなのでしょう?
それはともかくとして、来年はまた気合を入れてフランス語を勉強する年にしたいと思います。(フランスにもまた行くぞーっ!!!)

今年一年、みなさんに励まされながらこのblogを続けてきました(途中でかなり大きなブランクもありましたが・・)が、また来年もがんばりたいと思います。それではみなさん、どうかよいお年をお迎えください。
   Bonne Annee!!


nice!(14)  コメント(20)  トラックバック(0) 
共通テーマ:地域

nice! 14

コメント 20

c-d-m

Bonne Annee!
バ・ウぇ~。
大爆笑です。

はい、これはパリに限りませんよね。
ブルゴーニュでは相当、日常耳にしましたし、私自身もお世話になっている大活躍の(センセイ的イケナイ)フレーズ。

あとこれに、シェパ~(sais pas)が言えれば、センセイから見ると立派な田舎弁的不良生徒の仲間入りですね。(笑)

空気を読まずにこんな事をコメントしている自分が怖い気がします。
いやはや、
(先日見た某NHKの世界遺産の旅のビデオを思い出しました。)
今年もよろしくです。
by c-d-m (2007-01-01 02:36) 

foret

☆clos-du-meixさん
明けましておめでとうございます。

やっぱりそうですよねぇ。僕もルーアンで相当聞いたような気がします。
シェパ~も勿論使いましたですよ。
あとメックやコナ~ル(このナの音は”ヌァ”とネットリ感を漂わせて)とか・・・
でもそんな中、ある意味感動すら覚えたのは”merde”ですね。
英語でもそうなのですが、こんな言葉まで日本語とフランス語で対応しているのかと目からうろこが落ちる思いをしました。
(フランス人ってこの言葉を日本人の「くっそー」以上に頻繁に使いますよね・・)
あ、正月早々下品な話で申し訳ありません(笑)
by foret (2007-01-01 11:45) 

chicory

あけましておめでとうございます。
褒めたあとで、落とすという王道の先生コメント、面白すぎます!!
しかし、「下品」って・・・・。
そんなこと言われたら、白目むいちゃいますよね。
私は「まだまだレベル」の学習者なので、いろいろ教えてくださいませ。
今年もよろしくお願いします。
by chicory (2007-01-01 12:08) 

julliez

あけましておめでとうございます♪

あはははは・・・。
ば・うぇ~♪  
対極ですが、シャンパンやボルドーの貴族語フレーズも上品過ぎてたいがいですよ。(活用形が違うみたいです。)
ちょっと喋れる日本人に貴族語で滅多斬りしたいぢわるなフランス人を見ました。
斬られる位話せるようになりたい・・・。
by julliez (2007-01-01 13:45) 

夏のひまわり

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。^^
by 夏のひまわり (2007-01-01 14:20) 

シェリー

明けましておめでとうございます☆
新年からまた楽しいお話ありがとうございます(笑)
私はフランス語・・・全くわかりませんが・・・(汗)
ちょっぴり下品な?(笑)本場のフランス語
色々教えていただけたら嬉しいです☆
今年もどうぞよろしくお願いしまーす!
by シェリー (2007-01-01 18:07) 

foret

☆shinさん
僕のフランス語はもうサビついてしまい、あまり使い物にならなくなっています。コンジュゲなどもう忘却の彼方に飛んでいってしまいました。
今年はもう一度、磨きなおしていきたいと思っています。
お互いがんばりましょう!

☆julliezさん
フランス人ってこちらがうまく話せないとか関係なしに勢いよく話しかけてきますよね。
『もう少し話せない人間の身になってくれよ~』と泣き言を言いたくなったのもしばしばです。(おかげで鍛えられたという面もありますが・・)
ところで貴族語というものがあるとは知りませんでした。こちらで言う
『ごきげんよう』『~じゃなくて?(byお蝶夫人)』という類の言い回しなのでしょうか?

☆夏のひまわりさん
あけましておめでとうございます。
こちらこそ本年もよろしくです。

☆シェリーさん
人様に教えることができるほどの語学力はもうないかもしれませんが・・・
とにかくしょーもないことばっかり覚えているんですよね。
こちらこそ今年もよろしくお願いします!
by foret (2007-01-02 01:14) 

plot

こちらも昨年末から、イタリア語学校に通い始めました。フィレンツェ方言にも「ぼう」とか(意味良く分からず)、「ほはほーら」(コカコーラのこと)とかいろいろあります。なぜか憶えなくても良いことばかり耳に残って困ります…と言う話題はおいといて、旧年中は楽しい記事、ありがとうございました。そして、あけましておめでとうございます。今年もよろしく。
by plot (2007-01-02 06:39) 

foret

☆plotさん
あけましておめでとうございます。
そちらではコカコーラのことを「ほはほーら」と言うんですね(笑)
フランスではコカと言っていました。
よくよく考えてみると別におかしな言い方ではないのでしょうが、僕としてはなにかとてもイケナイものを飲んでいるような気がしてなりませんでしたね。
こちらこそ今年もよろしくおねがいします。
by foret (2007-01-02 20:03) 

noriko

はじめまして。
foretさんはフランスに滞在されていたんですね。
ワインの勉強をはじめたら、やっぱりフランス語が出来たほうがいいな、と思いはじめ、勉強したいなぁ・・・と考えているところなので、とても羨ましく読み始めました。
あ・でも、ちょっとお下品なのですか(笑)
くすくすっと、してしまいましたが、時々「べらんめえ」調が混じってしまうワタクシのニホンゴもやばいっす(笑)
by noriko (2007-01-03 23:42) 

norikopianist

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します!今年もforetさんの面白いブログを楽しみにしています!
by norikopianist (2007-01-04 01:12) 

foret

☆てんとうむしさん
自分では決して下品とも思わず、まわりのフランス人がいうように話していたつもりだったのですが、痛いところを突かれたなって感じでした。
これからもよろしくお願いします。

☆norikoさん
あけましておめでとうございます。
こちらこそnorikoさんのNYでのご活躍の様子、またお聞かせくださいね。
今年もよろしくおねがいします。
by foret (2007-01-04 01:39) 

りゅう

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
新年早々楽しませていただきました♪
「チョット下品ネ」
絶対、コレが言いたかったんですよね!
お国自慢のためにも。。。(*^m^*) ムフッ
by りゅう (2007-01-06 00:19) 

STELLA

あけましておめでとうございます。
あ〜、おもしろかったです!
『バァ・・ウェ~』はパリジャンだけじゃなく他の地方の人も使ってると思いますよ。そんな先生、下品だなんて。。。。。ねえ。
他にはパリ郊外(バンリュー)言葉とか16区言葉とかありますよね。
バンリュー言葉は発音、単語が変化してるので非常に理解しがたいです(笑)
16区言葉は発音が独特。金持ちマダムが「〜ざーます」って言う感じでしょうか(笑)
by STELLA (2007-01-07 08:30) 

kakora

遅ればせながら 明けましておめでとうございます!
今年も楽しい記事を お待ちしています~♪ハンカチ持参で!
あはは フランス語は全くですが やっぱり笑ってしまいました(^^)
今年もよろしくお願いいたします~♪
by kakora (2007-01-07 17:16) 

フランス語の学校に通われるのですね。
素晴らしい♪
私も、「ワインのラベルは読めるようになりたい!」と思い、何度か通おうか検討しましたが・・・実現せずです(笑)
外国語っていいですよね。
色々な友達ができるし、色々な国を知ることができるし。
今年も、楽しいフランス情報、お聞かせくださいませ~♪
by (2007-01-09 05:57) 

foret

☆りゅうさん
パリを東京にたとえるなら、それ以外に住む人は大阪人というのは大げさですが、地方に住む人の中にはパリを見下すのが好きな人がたくさんいます。
それくらい郷土愛が強いのでしょうね。

☆STELLAさん
16区言葉なるものが存在していたとは知りませんでした。僕がパリにいたときは17区に住んでいたのですが、1区ちがうと大違いですよね。

☆kakoraさん
こちらこそよろしくお願いします。
今日の大阪は風がとても冷たいのですが、山形はもっと厳しいんでしょうね。

☆りんりんさん
外国語がわかるのって本当に素晴らしいです。
僕も今年は錆びついたフランス語をもう一度みがきなおしていこうと思っています。
by foret (2007-01-09 20:22) 

うちのオフィースメイトの旦那がフランス人で、たまにフランス語での会話をしています。少しフランス近くなったような。。。
by (2007-01-19 07:20) 

mizuiro

foretさん お忙しいようですね。
都合で名前をかえました。↑のka・・raです(笑)
楽しみにしています。ね。
by mizuiro (2007-02-24 13:05) 

foretーbourgogne

読みながら、日本でいえば東北地方のように訛りのキツイ(フランスでは笑いの対象にもされている)ブルゴーニュにいた私は、きっといろんなところでダニエル・カール氏の日本語のように(そんなに上手くないのですが)思われるのだろうな、と感じいってしまいました。ちょっと下品なパリジャン風は、私には憧れ、であります。
それでも、ブルゴーニュの友人に「ウ」の発音を直されながら……覚えたフランス語を、忘れないために帰国した春早に、私も学校に行くことにしました。
by foretーbourgogne (2007-03-25 03:18) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。