中国について思うこと
僕は学生のときに東京の大学に通っていたのですが、ある夏に帰省先の神戸から「青春18きっぷ」で東京まで戻ったことがあります。
乗り継ぎにもっとうまい方法があったのかもしれませんが、結局12時間以上かかり、僕は
『二度とこんな疲れることはすまい!』
と心に誓ったのです。
ところがその年の冬、仲のよかった中国人留学生のFさんという女の子が、
「来年のお正月に神戸大学に留学している友達に会いに行くんですけど、foretさんはそのとき神戸に帰ってるんでしょ?もしよかったら神戸を案内してもらえませんか?」
と言ってきたのです。
僕は
「いいけど、何で神戸まで来るの?新幹線?」とたずねると
「『青春18きっぷ』っていうのがあるでしょ?ワタシそれで行こうと思ってるの」とFさん。
僕はそれを聞いて「絶対にやめたほうがいい」と彼女に勧めたのですが、Fさんは僕の忠告に耳をかたむけようともせず、「全然平気よ」と言いはるので、
『まあ好きにするがいいさ。神戸についたときにどんな顔をしているか楽しみだわい・・・』
と心ひそかにFさんの泣き言のひとつでも聞いてやれと思っていたのです。
そしてその数日後、神戸に帰省していた僕は実家で、
「今、大阪に着きました」
というFさんからの電話を受けて、駅までFさんを迎えに行ったのです。
『Fさんめ、どんな顔をして出てくるんだろう・・・』
と改札口で待っていると、やがてニコニコと笑いながらホームの階段を降りてくるFさんの姿が・・・
『あれっ?』と思いながらも、念のため
「どうだった?結構時間かかって大変だったでしょ?」
と聞いてみると、
「ううん、全然」とFさん
「でも12時間ぐらいかかったでしょ?」とさらにつっこんでたずねてみると
「うん、でも北京の大学からワタシの家まで電車で3日かかるから、それと比べたらたいしたことないです」という返事が返ってきました。
僕はこれを聞いて
「負けた・・・中国の人ってスゴイ・・・」と思ったのです。
ちなみにこのFさん、東京某市の市民体育大会に卓球の部があるのを聞きつけ、
「長いことやってないけど、ワタシ昔、卓球やってたから、出てみようかな・・・」
と言って大会に飛び入り参加し、地元の東京女子体育大学卓球部の選手をバタバタとなぎ倒して優勝し、まわりのみんなの度肝を抜いたこともあります。
Fさんだけでなく、僕が通っていた大学には他にも中国からの留学生が何人かいました。
みんなすごく勉強熱心で、生活費をかせぐために、夜警のガードマンのアルバイトをしながら学問に取り組む姿に僕は自分自身を反省したこともしばしばです。
そんなある日、中国の天安門で民主化を求める学生たちのデモに軍隊が銃を向けるという事件が起きました。「天安門事件」です。
Fさんは「自分の国の国民に軍が銃を向るなんて・・・」とショックを受けて泣きじゃくり、他の中国人留学生たちもかなり動揺していました。
僕自身もこの事件に衝撃を受け、彼らと一緒に大学の校門前でデモを行ったのですが、そのときに
『Fさんたちのような人がきっとこの国を変えてくれるにちがいない。今よりももっといい中国にしてくれるはずだ』と思ったのでした。
今の中国のことを彼女たちはどこでどう思っているのでしょう。
Fさんはウイグル自治区出身の漢民族だから、微妙な立場でいろいろなことを見てきた人だと思います。
みんなでそれぞれの国の国歌のことが話題になったときに
「中国の国家は共産党のための歌で、ワタシはその歌詞は好きじゃないの」
とさびしそうに言った彼女なら今のチベットの出来事についても理解してくれているはずだと信じたいです。
Fさんが知ったらきっとつらい気持ちにさせちゃうかな、と思いつつ・・・
4月26日、長野に行ってきます。
※自分の中ではこれくらいの意気込みですよ!
乗り継ぎにもっとうまい方法があったのかもしれませんが、結局12時間以上かかり、僕は
『二度とこんな疲れることはすまい!』
と心に誓ったのです。
ところがその年の冬、仲のよかった中国人留学生のFさんという女の子が、
「来年のお正月に神戸大学に留学している友達に会いに行くんですけど、foretさんはそのとき神戸に帰ってるんでしょ?もしよかったら神戸を案内してもらえませんか?」
と言ってきたのです。
僕は
「いいけど、何で神戸まで来るの?新幹線?」とたずねると
「『青春18きっぷ』っていうのがあるでしょ?ワタシそれで行こうと思ってるの」とFさん。
僕はそれを聞いて「絶対にやめたほうがいい」と彼女に勧めたのですが、Fさんは僕の忠告に耳をかたむけようともせず、「全然平気よ」と言いはるので、
『まあ好きにするがいいさ。神戸についたときにどんな顔をしているか楽しみだわい・・・』
と心ひそかにFさんの泣き言のひとつでも聞いてやれと思っていたのです。
そしてその数日後、神戸に帰省していた僕は実家で、
「今、大阪に着きました」
というFさんからの電話を受けて、駅までFさんを迎えに行ったのです。
『Fさんめ、どんな顔をして出てくるんだろう・・・』
と改札口で待っていると、やがてニコニコと笑いながらホームの階段を降りてくるFさんの姿が・・・
『あれっ?』と思いながらも、念のため
「どうだった?結構時間かかって大変だったでしょ?」
と聞いてみると、
「ううん、全然」とFさん
「でも12時間ぐらいかかったでしょ?」とさらにつっこんでたずねてみると
「うん、でも北京の大学からワタシの家まで電車で3日かかるから、それと比べたらたいしたことないです」という返事が返ってきました。
僕はこれを聞いて
「負けた・・・中国の人ってスゴイ・・・」と思ったのです。
ちなみにこのFさん、東京某市の市民体育大会に卓球の部があるのを聞きつけ、
「長いことやってないけど、ワタシ昔、卓球やってたから、出てみようかな・・・」
と言って大会に飛び入り参加し、地元の東京女子体育大学卓球部の選手をバタバタとなぎ倒して優勝し、まわりのみんなの度肝を抜いたこともあります。
Fさんだけでなく、僕が通っていた大学には他にも中国からの留学生が何人かいました。
みんなすごく勉強熱心で、生活費をかせぐために、夜警のガードマンのアルバイトをしながら学問に取り組む姿に僕は自分自身を反省したこともしばしばです。
そんなある日、中国の天安門で民主化を求める学生たちのデモに軍隊が銃を向けるという事件が起きました。「天安門事件」です。
Fさんは「自分の国の国民に軍が銃を向るなんて・・・」とショックを受けて泣きじゃくり、他の中国人留学生たちもかなり動揺していました。
僕自身もこの事件に衝撃を受け、彼らと一緒に大学の校門前でデモを行ったのですが、そのときに
『Fさんたちのような人がきっとこの国を変えてくれるにちがいない。今よりももっといい中国にしてくれるはずだ』と思ったのでした。
今の中国のことを彼女たちはどこでどう思っているのでしょう。
Fさんはウイグル自治区出身の漢民族だから、微妙な立場でいろいろなことを見てきた人だと思います。
みんなでそれぞれの国の国歌のことが話題になったときに
「中国の国家は共産党のための歌で、ワタシはその歌詞は好きじゃないの」
とさびしそうに言った彼女なら今のチベットの出来事についても理解してくれているはずだと信じたいです。
Fさんが知ったらきっとつらい気持ちにさせちゃうかな、と思いつつ・・・
4月26日、長野に行ってきます。
※自分の中ではこれくらいの意気込みですよ!
2008-04-13 21:02
nice!(6)
コメント(6)
トラックバック(0)
Skypeで、中国の女性とチャットしました。
一人は、やはり、中華思想のためか、レコチャイみたいな意見でした。
そして、西側での報道(情報)は知らないようでした。
最後は、喧嘩別れみたいな感じで、彼女がログオフしました。
その経験を踏まえ、もう一人の女性には、チベット問題話題にしなかったため、円満にチャットは終了しました。
今の日本の人達と中国国内の人達は、本来の状況をBlack Outされている感じです。
今、日本もチベット弾圧する中国を支援する国と思われてます。
もしかしたら、長野もかなり危険な状況になるかもしれません。
お気を付けて行って来て下さい。
by CountGray (2008-04-13 22:25)
フランスでもこの問題については(多分)日本より深刻に扱われています。
お気をつけていってらっしゃい。
by julliez (2008-04-14 02:22)
CountGrayさん
イギリス・ロンドンでの聖火リレーで第一走者として走ることになっていて、それをボイコットした女性がテレビのインタビューで
「人々が拷問され、殺されている」、それを見て見ぬフリをする自分を正当化するなんてどうやっても無理。小さなものであっても自分に出来ることからやらなきゃ。
と話していましたが、僕も自分でできることをやってきたいと思います。
julliezさん
フランスも燃えてましたね。日本じゃそれこそ「パリっておしゃれ~」と浮かれているような世代の若い女性たちが、腕を組んで聖火リレーのコース上に座り込んでいたのには心動かされました。人権を自らの力で勝ち取った国の誇りを感じました。
by foret (2008-04-15 10:09)
ちょっと家をあけており遅くなりました。
学生時代のエピソードいいですね。
聖火リレーで妨害事件が起きています。
チベットの人たちへの同情がそうさせて
いるのでしょう。
ただ、ダライラマ師もテレビのインタビューで
話していましたが、政治とオリンピックは
別であり、非暴力を訴えていました。
多くの人々を理解させるには、インドのガンジーも
やったように、非暴力で訴えるしかありません。
自分のもっとチベットの現状、歴史を知りたいと
思います。
by yoku (2008-04-16 07:12)
yokuさん
ダライ=ラマ師がおっしゃったように「非暴力」は基本として大切なことですよね。でも抗議の気持ちはしっかりと示してきたいと思います。
ラサで自分の命の危険を顧みずに外国の記者団に対してチベットの現状を涙ながらに話しに出てきた若い僧侶たちの気持ちを受け止めるため今、自分ができる精一杯のこととして・・・
plotさん
ナイス、ありがとうございます^^
by foret (2008-04-17 02:20)
こんばんは。
aiさんのブログで何度かコメントを読ませていただき、時々のぞかせていただいています。
とてもおもしろいお話でした。実はわたしも仕事の関係で中国の若い人たちと話をしていて、その国土のスケールの大きさにびっくりさせられたことがよくあります。一人一人はとても個性的で魅力的なのですが、政治的な話になると、みんなまったく同じ意見しか言えなくなり、そこに教育の怖さを感じました。
by 鯉三 (2008-04-18 23:33)