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FREE TIBET, FREE JAPAN(その1)

 もう完全に路線が変わっちゃいましたね。(笑)
てか次からはいいかげん元に戻そうと思ってます(全然更新してないのに・・)が、これだけは書かせてください。
 実は先日、法隆寺に行ってきました。もちろん中国の胡錦濤国家主席が訪問するのに合わせて、チベット弾圧に対する抗議デモを行うためです。
 とは言うものの「デモ」と言っても何かに示し合わせて行ったわけではありません。きっとそういうことをしようという人たちが集まるだろうと思っただけで、何のあてがあったわけでもありませんでした。しかも当日は雨も降っており、現地に何人くらい集まるのかは全くわからない状態で、僕は職場の同僚と二人、不安を抱えながら車で法隆寺に向かったのです。高速のインターを降りると、そこからすでにもう厳重な警備体制がしかれていました。
 そしてそこには道路のほぼ20mおきに居並ぶ警察官の姿が・・・・
 僕たちはインターを降りたところですでにこのありさまに思わずひるみそうになりました。しかもよく見ると、その警備体制は道路沿いだけにとどまらず、その両側から遠く離れた向こうにも、そのまた向こうにも警察官の姿が見えました。
 「うわー、何これ・・・」と思いながら、僕は『これは、ちょっとやばいかも・・・』と思っていました。
 というのは前日、コキンちゃんが宿泊していた大阪のリーガロイヤルの付近ではチベットの旗を持って近づくことすら許されなかったというのを聞いていたからです。
 僕たちは一応チベットの旗を用意してはいたのですが、こんな状況では旗を持っているがために、法隆寺に近づけないかもしれません。本来、そういうことはあってしかるべきではないと思うのですが、警察の人に旗を「武器になる」とかなんとか、わけのわからないことを言われて、中に入れてもらえない可能性だって実際にあったのです。

※ちなみに僕はこのチベット旗を長野の聖火リレーに合わせて購入しようと思い、ネットで探しまくったのですが、時期が悪かったのかどこも「入荷待ち」の状況で、最後の手段として東京にある旗の専門店から染め抜きのかなり高価な旗(値段は聞かないでください。思い出すだけでへこむので・・・)を購入してしまったのです。僕は長野の後、一人でどれだけ離れているかも調べずに唐招提寺から法隆寺まで旗を持ったまま歩き、一人デモを敢行した(←はっきり言ってアホです)のと、大阪のデモに参加したのですが、これは一重にチベットに対する思いだけでなく、『高いお金まで出して買ったこの旗のモトをいかにしてとるか』という思いがあったことをここに告白します。

 話が横にそれましたが、ここまで来て追い返されるのは癪だったので、僕たちは旗を持っていくことをあきらめ、その代わりに小さいメガホン(←拡声機ではありません)を持っていくことにしました。そしてこれが後の災いとなるのでした。(「いかにも」って感じですからね)

 車を止めて法隆寺に向かって歩いていると、早速警察の人に呼び止められました。
 「すみませーん。今からどちらの方に行かれるのですか?」
 と語り口は柔らかいものの、明らかに『不審者発見!』というような勢いで質問をされ、僕たちは法隆寺に行く旨を伝えました。
警官A「なるほど。で、法隆寺には何をしに行かれるんですか?」
僕「いや、ですからチベット弾圧に抗議の気持ちを伝えるためです」
 ここですかさず別の警官Bが無線で
 「青いメガホンを持った二人組み、チベット抗議のために来ました」とどこかに連絡をしていました。別にチベットを抗議しに来たわけではないのですがね・・・

警官A 「では何か身分を証明するものとか見せていただけますか?」
 僕たちはなんでそこまでする必要があるのかと思いつつも、自分たちの行為に何もやましいことなどないと思っていたのと、こんなところで揉めるのもいやだったので、おとなしく免許証を提示しました。そして警官Aは僕たちの住所を手帳に書き留めると
 「みなさんご存知だと思いますが、長野のリレーのときもいろいろトラブルとかあったでしょ?ですからこの先に行かれることはおやめになったほうがと思うんですが・・・」と言い出しました。
 僕が「それは警察の方々が中国の人たちが違法な行為をしても何も取り締まらなかったからでしょ?」と言い返すと、
警官Aはぬけぬけと
 「そんなことありませんよ。我々もしっかり対応したんですけど、実際にトラブルがあんなふうに起きてしまって・・・」と言いました。
 「いや、そんなことありますって。事実、中国人が車にハコ乗りして、窓から身を乗り出しながら中国の旗を振り回していたのに、警察は見て見ぬフリをしてました」と言うと、警官Aは
 「私はその場にいなかったので知らないのですが、それはありえない」と言うのです。

china.jpg

4.26信州事変のひとこまです。これで「知らぬ存ぜぬ」とは・・・

 僕がそれが事実だと何度言っても、警官Aは「自分は見てないがそんなことはない」と言い、つまらない押し問答が続いたのですが、ふと見ると彼の服に『群馬県警』の文字が・・・
 それを見て僕が
 「あなた群馬県警の人ですね。群馬県警の人がわざわざ奈良まで来ているわけだから、長野の聖火リレーのときに現場に行っていないはずがないでしょ?本当は知っているくせにウソをつかないでください」と言うと、警官Aは苦笑いをし、
 「ま、まぁ・・でもこの先、みなさんが法隆寺まで行って何かトラブルに巻き込まれたりすると我々としても申し訳ないですし・・・」
 と心にもないことを言いながら話題を変え、再び引きとめ工作をし始めました。
 僕たちは「『申し訳ない』なんて思っていただかなくてもいいです。自分たちの責任でいくわけですから・・・」
 と言ってふりきろうとすると今度は私服警官の人がやってきました。

 「あー、これからどちらに行かれるんですか?」と聞かれ、僕たちは法隆寺に行くことを告げると、その私服警官は
 「法隆寺には何をしに?」と聞いてきたので、
 「さっきこのおまわりさんに言いました」と答えると、警官Aがその私服警官に僕に代わって説明をしました。
 僕の同僚も
 「僕たちが法隆寺に行くことになにか問題があるんですか?」と訴えると
 「いや、ないですよ。ですけど、みなさんもご存知のようにこの前の長野のときみたいに・・・」と再放送が始まりました。
 「それもさっき聞きました。行ってもいいですよね」と振り切って行こうとすると、その私服警官が
 「わかりました。それだったら今日もホラ、雨が降っているでしょ?実は今、雨に濡れないところでみなさん集まってもらってるんですよ。そちらに案内しますから、私について来てもらえますか?」と言いました。
 僕たちは
 「ほらぁ、そんなふうに来てる人が他にもいるんじゃないですか。そんならそうと早く言ってくださいよー」と言って、その私服警官について法隆寺門前の方に向かって歩き出したのです。と同時に、こんなところで警察官にあれこれ言われ、ひるんで帰ってしまった人もいるんじゃないかと不安な気持ちにもなりました。
(実際、唐招提寺の最寄の駅では、チベットの旗を持っている人は駅から降ろしてもらえなかったそうです。)

 しばらく歩いているとテントのような場所があり、そこにはすでに何人かの人が集まっていました。
 『おー、我が心の友よ・・・』と僕はうっとおしい警察の引止めを振り切り、このテントに集いし勇者たちに心の中でエールを送りながら、テントの中に入って時が来るまで待機していようと思って同僚としばらく二人たたずんでいると
 「ウォースーティエンシャンプーターホイ」
 「チーシャープォチースーミンシュオ」
 というような声があちこちで・・・・
何これ、まわりみんな中国の人じゃん!


《その2に続く》
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Mimosa

えっ、私服警官に騙されちゃったってこと~?
続き、気になります・・・!
by Mimosa (2008-05-18 13:48) 

foret

julliezさん、delphyさん、niceありがとうございます。

mimosaさん
お久しぶりです、こんにちは
「騙された」といえば結果的にはそうなるんですが、
この私服警官にはこの後また会うことになりますので・・・
その2、その3と話は続きますので、
また遊びに来てください。
by foret (2008-05-19 09:36) 

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