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FREE TIBET, FREE JAPAN(その2)

まずはこちらの写真をごらんください・・・
tibet_wiki.jpg

この写真は、中国の胡錦涛国家主席が英国を訪問したとき、抗議者ら数百人がチベットの旗を掲げて平和的な抗議で「歓迎」している様子です。
当時の英国ブレア首相は、「わが国は民主国家である。 国民は自由に言論表現する権利を持っている」と発言し、この平和的な抗議行動を容認する態度を示したとのことです。
 僕はこのことを知り、民主国家の素晴らしさを実感するとともに、およそ中国国内では許されないこの抗議をこの日本でもってチベット人になりかわり訴えようと思っていました。

話を戻します・・・
 「あなたたちがフリーチベットと言ったり、チベットの旗を出したりしたときに、あなたたちに危害を加える人がいるかもしれないから、この先には行くな」と言ったお巡りさんたちに対してゴネた僕たちを、私服警官の人がなだめながら連れて行った場所は、こともあろうに中国の人たちがいっぱいいる場所でした。
 警察の人は、はっきりと『中国の人たち』とは言いませんでしたが、『長野のときのようなことが起こったら困る』と言ったはずです。しかし長野でチベット支持を訴える人たちに暴力をふるったのは全て中国の人たちでした。にもかかわらず「トラブル回避」とか言いながら、僕たちに『中国の人たちと同じ場所にいろ』とはこれ如何に?
 「そもさん・せっぱ!(from一休さん)」の謎解きの世界にひたる余裕もなく、僕は早速、近くにいる警察官をとっつかまえて抗議しました。

僕「あのー、ちょっといいですか?」
警「はい?」
僕「さっき別の警察の人に『トラブルが起こるとまずいからここにいてくれ』と言われて、ここに連れてこられたんですけどね」
警「はぁ・・・」
僕「まわり中国の人ばっかりじゃないですか!」
警「あー、そうなんですか?」
僕「『そうなんですか?』って・・・。あのね、僕らは『長野の聖火リレーのときみたいに、ケガとかされたら困るから』ってことでここにいるように言われたんですよ。あのとき日本人に暴力をふるったのって中国人じゃないですか。それなのになんでわざわざ中国の人たちと一緒の場所にされなきゃいけないんですか?」

一応、断っておきますが、僕は中国の人に敵意とか持っているわけではありません。でも「(長野での中国人からの暴行のような)トラブル回避のため、中国の人たちと同じ場所にいろ」という警察の人の理屈が全く意味不明だったので、ここはゴネまくろうと思ったのです。

僕が話しかけた警察官は
「えーと・・・、いや私も話を聞いていないもんで、ちょっと・・・」
と困っている様子でした。
まあこんなにもたくさんの警察官がいて、その場その場で臨機応変の対応をしていると、細かい状況まで把握できるもんではないのでしょうが、なんか頼りない感じです。
 僕が「あそこにはいたくないから、どこかで待機していろというのなら別の場所にしてください」とゴネていると、またぞろぞろと私服警官が集まってきました。それにしても私服警官、多すぎです・・・
 彼らは一様に
「まぁまぁそう言わずに・・・雨も降ってますし、あそこだったら濡れないからいいじゃないですか」
 と言ってきましたが、そもそもこっちだって雨ガッパまで用意してきているのですから、雨が降っていることくらいどうってことありません。
(しかも雨に対してはノルマンディーで鍛えられてますからね)
「もう(門の前まで)行きますよ。行きますからね!」
 と私服警官を振り切って歩き出しました。
 実際、何もやっていないのですから、彼らに僕たちを止めることはできません。しかしそれにしても厳重な警備体制です。僕たちは門前にたどり着いたものの、そこは予想に反してチベット支援派とはっきりとわかる人の姿は全くありませんでした。確かにこんな状況ではチベットの旗を出すのは難しそうです。
 どこかのテレビ局が胡錦涛国家主席が到着前の法隆寺の様子を中継していましたが、リポーターの人が「現在こちらでは厳重な警備の中、多くの人が胡錦涛国家主席の到着を待っています。しかしこの人たちがチベットを支援する人なのか、それとも胡錦涛国家主席を歓迎しようと集まってきた人なのかは今のところわからない状況です。」と語る声が聞こえてきましたが至極もっともです。

 僕は沿道にある店の軒下で胡錦涛主席が来るのを待っていると、となりにいた60歳くらいの人が
「何かするつもり?」
 と聞いてきました。僕は
「うーん、そのつもりで来たんですけど、ちょっとこの状況は厳しいですねー」
 と答えると
「そうやなぁ・・・」
 とその方もしみじみと言いました。しかし続けて
「でも、日本も昔は悪いことしたんや・・・」
 と言うので僕は
「いや、だからといって今、中国で起きていることに目をつぶれというのはおかしいでしょ?」
 と言うと、
「そらまぁそうやな・・・」
 とその人は答えました。僕は別に自分が正義感に突き動かされてこの場所にいるという気など全くなかったのですが、『標準的な日本人の感覚ってこの人と同じなんだろうか・・・』と少し暗い気持ちになりました。それは別にこの人の考えを非難しようというのではなく、「事情をそんなに詳しいわけではないのだから、ここは文句も言わずに黙っていよう」で止まってしまっていて、その先のことを自分から知ろうとしないかのような姿勢が悲しかったのです。さらにそこに「日本の過去」にしばられて、「こっちも言えた義理ではない」という発想になってしまっているなんて、なんともやりきれない気がしました。そんなんで本当の意味での日中友好なんてあるのでしょうか・・・。でも実際、そういう人って多いんでしょうね。

そんなことを思いつつ佇んでいると、突然
「なんでや!なんでアカンのや!」
とオッサンのブチキレる声が・・・
ふと視線をやると、私服警官に囲まれた白髪の老人が何かを訴えています。
「我々には『表現の自由』ちゅうもんがあるんや!オマエらに止められる筋合いなんかあるかいっ!」
と声をあらげながら、沿道の前に出ようとする老人に対し、私服警官のリーダーらしき人が
「山田(仮名)!鈴木(仮名)!土井(仮名)!囲め、囲めっ!!!」
と命令を飛ばします。
僕が「援軍来たる!」と胸を躍らせる間もなく、その老人はあっという間に何重にも取り囲まれ押し返されていきました。
その時、まわりが急にざわつき始めました。
ついに胡錦涛主席を乗せた車がやってきたのです。
(続きます)


まだご覧になられていない方はぜひご覧ください
チベット難民の小学生たちのデモの姿は何度見ても泣けてきます

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c-d-m

英国は、ブッシュが訪問したときも世界1のテロリストというプラカードで迎え撃ちましたね。
良いか悪いかの判断は国民に押し付けるものではありません。
そういう意味で日本国家はいつまでたっても成熟しない田舎大名の臭いがプンプンします。
by c-d-m (2008-06-18 21:58) 

foret

みなさんniceありがとうございました。
長い間、放置しっぱなしでスミマセン・・・

c-d-mさま
コメントありがとうございます。
by foret (2008-06-23 09:16) 

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